
今回ご紹介するのは「超・箇条書き」(杉野幹人著)。
誰もが知っている「箇条書き」が持つ大きな可能性にスポットライトを当てた名著です。
そして「箇条書き」のスキル(=技術)は英語力アップにも役立つ、という目からウロコの内容でした。
「箇条書き」がスキルだとは!

「箇条書き」を英語で言うと「ビュレット・ポイント ( bullet points ) 」。
私になじみがあるのは、毎日のやることリスト ( to do list ) や食料の買い物リスト ( grocery list ) ぐらいでした。生活に密着しています(笑)。
冒頭に、こういう言葉がでてきます。
「一見凡庸にして最強スキルである箇条書き」
「え、箇条書きってスキルなの?」とびっくりしました。だって学校で習うわけでもないし、あまりにありふれています。
著者はこう言います。
日本では、箇条書きは軽んじられている。
(中略)
箇条書きを習ったことがある人など皆無だろう。結果的に、残念なことに箇条書きは軽んじられ、そのポテンシャルを発揮できていない。
たしかに箇条書きについては、単なる言葉の羅列としか考えたことがありませんでした。
著者の杉野氏は、短く魅力的に伝える「超・箇条書き」を提唱しています。
「超・箇条書き」は人を動かすためのものである。
(中略)
超・箇条書きとは、言葉遊びでも、単なる技術でもなく、相手のことをとことん考える作業でもあるのだ。
(太字はNaoko)
この本自体が、著者が提唱する「超・箇条書き」にのっとっています。
実際に「私のために書かれている」と感じました。そして私は今、「超・箇条書き」のポイントを自分なりにまとめて印刷し、常に目に入る場所に貼り付けています。
著者が、読者である私のことを「とことん考え」てくれて、私を「動かし」たのです。
「箇条書き」のスキルだけではなく日本語と英語の違い・文化の違いについても触れている点に、私はぐいっと引き込まれました。
さらに「箇条書き」のスキルを磨くことによって英語のコミュニケーションが上手くなる、という部分に深く共感しました。
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箇条書きと英語は構造が同じ
日本語は「説明」から始まって最後に「結論」がきます。
英語はまず「結論」、次に「説明」。真逆ですね。
箇条書きも「結論」を先に書きます。英語と同じなのです。
箇条書きのスキルを磨く。
↓
英語的な考え方・思考法が鍛えられる。
↓
英語力がアップ、というわけです。
文化的な違い
日本語と英語の文化的な違いについて触れている部分が興味深いです。
日本語は、英語に比べて主語や目的語を消して自動詞を使うことが多い。一方英語では「He surprised me(彼が私を驚かせた)」のように、主語や目的語を入れ、「他動詞を使って、行為を表現する」ことが多い。理論言語学を研究する畠山雄二氏(東京農工大学准教授)によれば、この違いは文化的なものだという。責任を曖昧にする文化のために、日本語は「自動詞を使って表現する」ことが多い。
「日本は責任を曖昧にする文化」であることは、日本を飛び出して他の国で生活すると痛感する点です。
箇条書きのスキルで英語のコミュニケーションが上達
日本人の多くは英語が上手くない。そういう人ほど箇条書きのスキルを高めるべきだ。
(中略)
英語が苦手な人ほど、がんばって伝えようと、ベタ書きの長々とした英語で伝えがちだ。しかし、英語が苦手であればあるほど、ベタ書きで伝えるよりも、箇条書きで伝えたほうが相手に伝わるのだ。
(中略)
箇条書きが上手くなればなるほど、英語でのコミュニケーションが上手くなるのだ。
そう、まずは日本語で箇条書きのスキルを高めればいいのです。
だらだらと長く説明して結局何が言いたいのかわからない、というパターンに陥らないためにも、まずは「何を伝えたいのか」を考えるクセをつけましょう。
ポイントを押さえた「短く、魅力的に伝える技術」を磨いておけば、いざ英語を使うときにそのスキルを応用できます。
英語そのものよりも「英語的な思考法」=「箇条書き」を身につけるのは、英語上達の早道なのです。
最後に
いかがでしたか?
今、自分が知りたいと思っていた知識ド真ん中だったため、何度も何度も読み返してしました。この本に出会えて本当によかった!
箇条書きという最強スキルを磨いて、こんがらがった配線コードみたいな自分の思考回路をきっちり整理したいと思っています。このブログの文章も、もっとわかりやすくなる予定(笑)。
英語でのコミュニケーションも上手くなる「超・箇条書き」。心からオススメします。
Have a wonderful day!