サンディエゴ移住決断の経緯、英語の壁【私の英語ストーリー#3】

英語ストーリー




Naoko
サンディエゴ在住、映画とドラマ💗の英語インストラクターNaokoです。

私と英語の切っても切れないストーリーの3話目です。

「英語圏で子どもを育てたい」というのが夢だった夫と私。その夢をかなえてサンディエゴに移住しました。

しかし自分が思ったようには英語が通じなかったのです。言いたいことが英語で言えない、相手が何を言っているのか聞き取れない。

それに加えて新しい環境に対応するストレス、子育ての疲れが重なって、かなりつらい日々を過ごしました。

でも映画とドラマのおかげで、少しずつ英語を楽しめるようになっていったのです。

サンディエゴに移住が決定

beach

2000年に結婚した夫は英語が堪能。

「子どもができたら英語圏で育てたいね」と話していましたが、まだ私の中ではぼんやりした夢でした。

子どもができるかどうかも分からなかったし、具体的にどうしたら海外移住が実現できるかなんて想像もできませんでしたから。

しかし、2009年、サンディエゴへの移住が本当に決定。娘は5歳と1歳でした。

コンプレックス克服のチャンス到来!でも…

正直言うと、せっかくここまで続けてきた字幕の仕事を中断し、アメリカで子育てに専念するという不安は大きかったです。

Naoko
やっと劇場公開作品を翻訳できるようになったのに…
字幕翻訳家として、さぁこれから、という時期なのでは?

でも「英語が話せるようになりたい」という気持ちは字幕翻訳家を越えたところにありました。あまりにも高くて頂上が見えない山のようなイメージ。でも、山頂にたどりつけないとしても8合目ぐらいまでは頑張ってみたい、と思いました。

challenge
Naoko
子育てが苦手な私にとって、仕事をやめて専業主婦になることも大きな不安でしたよ…

字幕翻訳家としての悩み

字幕翻訳の基本ルールは「1秒4文字」におさめること。そのために字幕翻訳家は七転八倒しています。

字幕をやっていたころは私も「1秒4文字に凝縮する作業こそが楽しい」と感じていました。腕のみせどころですからね。

凝縮という言葉を使えば聞こえはいいですが、実際、字幕からはかなりの量の情報がこぼれおちています。

故・太田直子さんも叫んでます

故・太田直子さんの名著「字幕屋は銀幕の片隅で日本語が変だと叫ぶ」から引用します。

字幕はいいことずくめかというと、とうていそうは言えない。いちばんの欠点は、セリフの内容を100パーセント伝えられないことだ。字幕は、翻訳というより要約なのである。

 

本来の翻訳を要約し、読みやすく加工する。当然、内容の何割かは抜け落ちてしまう

 

字幕と吹き替えでは文字数の制限がまるでちがう。制限が緩やかな吹き替えなら、セリフの内容をほぼそのまま伝えられるときも、字幕ではその半分か3分の1くらいに文章を縮めなければならないことがままある。

 

厳しい字数制限のもとでは、ストーリーの理解に必要な最低限の情報さえ表現しきれないことが多く、抜け落ちた情報は前後の文脈にちりばめて、かろうじて整合性を保っている。

(太字はby Naoko)

いかに情報がポロポロと抜け落ちてしまっているかがわかりますよね。実に悩ましいです。

補足
私の旧姓「大田尚子(おおたなおこ)」が太田直子さんの読みが同じだったため「蒼井」というペンネームを使っていました♪

映画を字幕なしで理解したい

enjoy movie

字幕翻訳は楽しかったです。

でも心の底ではいつもこう思っていました。

Naoko
字幕なしで英語のセリフをそのまま理解できたらどんなに楽しいだろう!

まさか、それが実現する日が来るとはツユとも思わずに…

自分の翻訳に自信が持てない

映画

さらに、心の中で常にうずまいていた不安。

Naoko
自分はセリフを本当に正しく理解できているのかな…?

微妙なニュアンスの解釈に、十分な確信が持てませんでした。

ネイティブの友人に聞くにしても、そのセリフの文脈、映画の時代設定や文化背景を説明する必要があります。その時間的・精神的余裕がありません。

いや、それよりも 英語で質問する勇気・実力がなかったのです

海外の常識や考え方を理解するには限界がある、とあきらめていました。こればっかりは自分で体験してみないとわからない部分だろう、と。

鳴かず飛ばずだったことがかえってよかった

字幕翻訳家になったものの「第2の戸田奈津子」と呼ばれるにはほど遠いレベルでした。

でもその残念な現実が、移住を決断させてくれたのです。

本当は「第2の戸田奈津子」になりたかったですよ。

誰もが知っているヒット作を翻訳したことはないし、地味で小粒な映画をコツコツと翻訳してました。とにかく字幕の仕事ができるだけでうれしかった私です。

もし「第2の戸田奈津子」として前途洋々だったら、移住せずに日本で字幕を続けたかもしれません。

チャンスは、つかむしかない!

字幕翻訳家としてくすぶっていた私の目の前に、チャンスがやってきました。

つかむしかない!

grab the chance

ひるむ気持ちはあったものの、覚悟を決めました。

そして2009年、家族でサンディエゴに移住したのです。

サンディエゴ移住の現実

stressed out

たくさんアメリカの映画を観てきたし、持ち前の明るさと能天気さをもってすれば、すぐに新しい環境に馴染めると思っていました。

英語コミュニケーションの壁にぶつかる

しかし実際に英語で生活してみると、思った以上に聞き取れない/伝わらない自分の英語力にがっくり肩を落とす日々が続きました。

渡米前に、最低限の英会話を練習しておくべきでした。実際に口・アゴ・舌・唇に英語を覚えさせないと、とっさのときに出てきません。

日本語と英語では、話すときに使う口周りの筋肉が違います。もっと徹底的に口を動かして練習しておけばよかったと思います。

でも、違う国に引っ越すというのは本当に大変なこと。あまりにも忙しくて英会話の練習どころではなかった、というのが正直なところです。

Naoko
このとき「日本語で言いたいことがすべて英語で表現できないのは当然だ」という少々開き直った気持ちでいい、ということを知っていたら、どんなにラクだったことでしょう!
純ジャパ

純ジャパ必見!英語を話すときに意識したい2つの視点

2018年2月7日

孤独感・子育て疲れ

ストレス

新天地では友達や知り合いがほとんどいなかったこともつらかったですね。もちろん、それを覚悟で移住したわけですが、実際にその孤独にたえるのはしんどかったです。

私は「子育てって楽しい!」と心から言える母親ではありません。子育てはかなり苦手なので、日本では娘二人とも1歳から保育園に預けて字幕の仕事を続けていました。

サンディエゴで住む家を決めてすぐ、長女はKindergartenに入りました。でも1歳だった次女はまだプリスクールに入れません。入園できる2歳半まではずっと私と一緒にいるのです。

一人で黙々と遊ぶタイプの手がかからない子だったので助かりましたが、1歳児と毎日ずっと過ごすというのは私にとってかなりつらい日々でした。

笑えなくなる

feel tired

今から思えば、軽いうつ状態だったと思います。

夫はアメリカ生活の基盤を作るべく、必死で働いてくれています。彼が家のことを心配しなくていいように、私は子育てと家のことをしっかりやらなくちゃ!とかなりテンパっていました。

言葉の壁、孤独感、うまくいかないことの連続で、一時期はまったく笑えなくなりました。さらにひどいときは、なぜかポロポロと涙がこぼれるのです。私の人生ではじめてのことでした。

娘2人の明るさが唯一の救いでしたね。泣いている私を、よく2人でなぐさめてくれました。

どこかに属したい一心でバイブルスタディに参加

bible study

最初に友達になったロシア人の女性は敬虔なクリスチャンでした。ご主人は脳外科医、彼女は歯医者だけど三人の娘の子育てで忙しく、当時は専業主婦でした。

彼女に「女性のバイブルスタディがあるからNaokoも来ない?」と誘われました。「無料の託児サービスもあるわよ」の一言で決めた、とも言えます(これ本音!)。1時間でも2時間でもいいから、自分だけの時間がほしかったのです。

また、知り合いがいないと「どこかに属したい」という気持ちがわいてきます。日本では家族も友人もいて「自分の居場所」が必ずどこかにありました。サンディエゴでも自分の居場所がほしい、と思ったのです。

Woman with Bible

映画やドラマを訳していると、しょっちゅう聖書に関連することが出てきます。字幕に必要な部分を読んだり調べたりした程度だったので、これを機会に理解を深めたいと思いました。

一人で読むのではなく、読書会のように意見を交換しながら勉強する、というのも私にははじめての経験で新鮮でした。

週に1回、2時間、託児付き参加している女性たちは、みんな穏やかで優しい人ばかり。困っている人には手を差し伸べるというキリスト教精神を体現しているような女性たちでした。

はじめて考えた自分の宗教観

shinto shrine

日本で暮らしていたころには考えたこともなかった、日本人であるというアイデンティティ。

仏教徒であるという自覚もなかったけど、無神論者というわけでもありません。ただ普通に、お正月には初詣をして、お仏壇には手を合わせていました。神道なのか仏教なのか、アメリカに移住するまで意識したことすらありませんでした。

でも私が神と考えているものはキリスト教の神ではなく、日本の(おそらく神道の)神様だと思いました。よろずの神、つまり神はいたるところにいる、という感覚を無意識のうちに持っていた気がします。日本にいたときには当たり前で気づかなかったことを、改めて考えてみるきっかけになりました。

半年ぐらい参加したでしょうか。聖書を全部読んだわけではありませんが、思っていたより人間臭くてドラマチックな内容だと思いました。だからこそ不動のベストセラーなのでしょう。

少しずつ自分の中での違和感、つまり宗教観の違いが大きくなってきたので、参加するのをやめました。

娘が喜んでくれた絵本の読み聞かせ

picture books

日本では、娘二人が寝る前に日本語の絵本を読みきかせていました。サンディエゴに移ってからも、しばらくは日本語のものばかり読んでいましたね。最初の半年〜1年ぐらいは、長女も英語より日本語のほうが強かったですから。

絵本というのは、その国の文化や伝統が色濃くにじみ出るもの。日本でも「一寸法師」「かぐや姫」「桃太郎」などは誰もが知っている話ですよね。アメリカにもそういうたぐいの、子供のころに誰もが読む絵本があるわけです。

先生や同じクラスのママたちにアドバイスをもらいながら、学校の教室や図書室にある本をかたっぱしから借りました。

読み聞かせる前にせっせと予習

正直いって「え?私が英語の絵本を読んで聞かせるの?」と、最初はちょっとひるみました。

さらっと「絵本の読み聞かせ」と言いますが、知らない単語がたくさん出てきます。初めて読む絵本のときは、事前に発音と意味をせっせと調べました。

その甲斐あってか、娘二人がすごく喜んでくれたんですよ。今日はこの本、明日はあの本、とリクエストしてくれました。「ママも頑張ってる!」と思ってくれたのかもしれません。

毎晩読んでいるうちに、私自身も絵本の読み聞かせが楽しくなってきました。英語の発音練習にもなったと思います。

日本にいたころにはまったく知らなかった “Where the Wild Things Are”。アメリカでは定番中の定番絵本、映画化もされています。

私のお気に入り ”A Sick Day for Amos McGee”


絵本の読み聞かせに関すること、下の関連記事にも書いています!ご興味ある方はぜひ!

礼儀知らずだと思われたくないなら覚えておくべき英語フレーズ3つ

2018年6月15日

性に合わなかった英語のレッスン

classroom

次女がプリスクールに通うようになると、ようやく自分の時間が持てるようになりました。

そこで、英語が母国語ではない人向けの英語レッスン(ESL)に参加してみました。良心的な値段(場所によってはタダ!)で英語を教えてくれるので人気があり、キャンセル待ちのこともあります。

人気なだけに1クラスの人数も多くて、先生が一方的に指示を出して生徒がそれに従う形が多いです。数回は参加しましたが、なんだか退屈で物足りない。

好きな映画やドラマを観たり英語の本を自分で読んだほうがいいや、と思ってすぐにやめてしまいました。

やっぱり映画とドラマがいい!

今はストリーミング・サービスが充実しているので、映画とドラマが大好きな私にとってはまさに天国!

ヒマさえあれば観ていました。今も観ています(笑)。本当に面白くて味のある作品が多いです。

愛読雑誌 Entertainment Weekly(以下EW)を熟読して、EW が絶賛している作品を観ることが多いですが、ほとんどハズレがありません。

Entertainment Weekly

comedy-drama-12

英語学習に効く!おすすめドラマ12選【コメディ&家族ドラマ編】

2018年10月10日

毎週土曜日、長女が日本語補習校に通うようになってから、だんだん日本人の友達も増えました。やはり母国語でグチを言い合ったり、くだらないおしゃべりができる仲間がいるというのは嬉しいものです。

生活も心も落ち着いてきたと思えるようになったのは移住して3年ほど経った2012年ごろからでした。

To be continued.

英語ストーリー

英語を教える資格を取る!と決意【私の英語ストーリー#4】

2018年3月15日




ABOUTこの記事をかいた人

映画とドラマをこよなく愛する英語インストラクター。オンラインで英語を教えています。2009年からサンディエゴ在住、元字幕翻訳家。趣味は映画/ドラマ観賞、読書、ピラティス。娘が2人。