私と英語の切っても切れないストーリーの4話目です。
渡米して3年が経ち、ようやくサンディエゴの生活にも慣れてきました。
大学で日本語を教える助手の仕事をしたことで「教えるのって楽しい」と気づきました。
私はとにかく英語が好きなので、英語を教える資格をとることにしたのです。資格取得のためのコースをとるためには、まずTOEFLテストで69点以上をとらなくてはなりません。
初めてのTOEFLテストの勉強に四苦八苦しました。
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目次
「教えるのって楽しい」と思えた日本語授業の助手の仕事

UCSD
2012年、UCSD(カリフォルニア大学サンディエゴ校)で日本語の授業の助手(Teaching Assistant)をやりました。
大学の先生が用意してくれた教材で、発音練習をさせたり、会話練習をさせたりする仕事です。
自然に覚えた母国語(私にとっては日本語)を外国人の学生に第二言語として教えるためには、さまざまな知識と技術が必要であることをはっきり意識したのはこの時でした。

母国語として自然に覚えた「てにをは」の使い分けなどを、私はうまく説明することができませんでした。日本語が話せるからといって日本語を教えられるわけではない、と初めて自覚したのです。
「教えるのって楽しい!」と思ったのもこのときです。
マスターするのが難しい言語のひとつである日本語を学ぼうとする真面目な学生たち。分からないところを、たどたどしい日本語で聞いてきます。それを私なりに説明して分かってもらえた時の喜びは、言葉にできない、心にじんわりくるものでした。
英語を教える資格をとろうと決意

日本語を教えるのはとても楽しかったです。
でも、私が好きなのは英語。できるようになりたいのも英語。
だから、英語が母国語でない人に英語を教える資格TESOL (Teaching English for Speakers of Other Languages)を取ろうと決めました。
何と言っても私は英語が大好きで、英語のことなら何でも知りたいと思っています。ずっと「教えてもらう」生徒の側だったけれども、「教える」側に立つと違った何かが見えてきそうな気がしました。
ただ勉強するだけではなく「資格を取る」というニンジンがぶらさがっていたほうが私はやる気が出るタイプ。万が一、日本に帰ることになって仕事を探す場合、字幕翻訳に戻るという道のほかに「英語教師」という選択肢が増えるわけです。
英語を使う状況に自分を追い込む
我が家は基本的に日本語。専業主婦だった私は、思ったよりも英語を使わずに過ごせてしまうことに気が付きました。
せっかくアメリカに住んでいるのに英語を使わない状況をどうにかしたかったのが、TESOLの資格を取ろうと思ったもう1つの理由です。
英語を使う状況に自分を追い込もう、と思いました。
オンラインコースを選んだ理由

理想としては、娘が学校に行っている平日の昼間に授業を受けたかったのですが、通学タイプは授業がすべて夕方。受講生のほとんどが、昼間に仕事をしている現役の英語の先生や社会人だからでしょう。
オンラインコースの場合、教授にもクラスメートにも実際に会うことはできませんが、好きな時間にマイペースで勉強できます。5年以内に必修科目でC以上をとれば資格が取れる、と書いてあったので、あせらずに自分のペースで進められるオンラインコースを選びました。
苦労したTOEFL iBT
TESOLの資格取得コースを受講する条件として TOEFL iBT(コンピューターで受けるタイプのTOEFL)のスコアが69点以上、と書いてありました。
TOEFLは一度も受けたことがなかったので、どのくらい勉強すればどのくらいの点数がとれる、という見当すらつきません。
まずは公式の練習問題集から始めたのが2012年の年末。2013年の春から受講をスタートしたかったので、TOEFLテストは2月に受けることにしました。つまり試験の準備期間は2カ月、と考えていたのです。
私が実際に使ったテキスト
1:公式問題集
過去問(4回分)をダウンロードして模試として使えます。あれこれ買わずに、これ1冊と決めてじっくり取り組むのもいいでしょう。
2:スピーキングとライティングに特化した問題集
私が一番苦手だったスピーキングとライティングのために使いました。かなり実践的な戦略が書いてあります。
3:TOEFL iBT Superpack
大きなボックスに、4技能(speaking/listening/writing/reading)のテキスト、単語集、リスニングとスピーキングの練習に使えるCD10枚が入っています。もっと早く買っておいて、もっとじっくり取り組めたらよかったと思う充実した内容。
勉強を延長
しかし……
思った以上に難しくて、模試を受けてみたものの全然いい点数が取れません。
TOEFLのカテゴリーはspeaking/listening/writing/readingの4つで、各カテゴリーが30点で合計120点満点。特にspeakingのスコアを伸ばすのに苦労しました。
2月のテストは4月に延期し、ひたすら勉強の日々でした。
本当は受ける必要がなかった!?

テストの結果、無事69点以上が取れました。
TESOLのコースを申し込むときに TOEFLのテスト結果をどうやって報告するかをUCSD Extensionに電話でたずねたら
「あれは単なる目安だから、別に受けなくてもいいのよ」と言われてショック!
事前にそれを確認しておくべきでした。
でも受けてよかった
しかし、TOEFLの勉強をしたことによって、オンラインコースを受ける準備と覚悟ができました。アカデミックな英文を読むことに慣れる必要性、語彙力不足など、自分の課題が一層はっきりしたのです。
この時点ではあまり深く考えていませんでしたが、それまでアカデミックな英文は短いエッセイすら書いたことがありませんでした。英語を書くといっても短いメールのやりとり程度。
今から思うと、ずいぶん思い切ったことをしたものです。
「思い切ったこと」というより、とんでもないことに飛び込んでしまったことに気づいたのは受講をスタートしてからでした。それについては次回に書きますね。
まずは娘二人の学校生活を軌道にのせてから

2013年4月27日にTOEFLのテストを受けたのですが、オンラインコースの受講を始めたのが翌年2014年の1月。
なぜすぐに始めなかったのか?と自分でも疑問に思って10年日記をめくってみたら分かりました。
テストを受けた時点では、まだ次女がプリスクールだったのです。
アメリカのプリスクールは高い
サンディエゴだけではないと思うのですが、アメリカのプリスクールは目が飛び出るほど高いのです。平日毎日9時から2時半ごろまで預けると、月に15万円はかかります。
子どもがプリスクールの年齢のときは、仕事に復帰するよりも家で子どもの世話をしたほうが節約になる、と考える親もいるほど。だから週に数回、午前中だけ、などのオプションがあり、それによって料金が変わります。
TESOLの受講には合計で$3,200ぐらい(35万円)かかる予定だったので、プリスクールと同時には受講すべきではないと判断しました。
6月に次女がプリスクールを卒園して2ヶ月半の長い夏休みが終わると、いよいよKindergarten入学。長女は4年生になりました。公立小学校なので学費は無料。8時半から2時半までは二人とも学校に行ってくれます。
もう、ガッツポーズですよ!

母親業をしっかりやってから受講をスタート

でも、すぐには受講をスタートしませんでした。
長女がKindergartenに入ったときは、日本から引越してきた直後で嵐のようなめまぐるしさでした。それに比べると次女のときは気持ちに余裕があったので、最初の4ヶ月の間にボランティアを積極的にやったり、ガールスカウトに参加させたり、いろいろとやってみたかったのです。
そしていよいよ2014年の1月から受講をスタートしました。担任の先生に「勉強するからボランティアを減らす」と伝えたら、”Way to go, Naoko!”と励ましてくれたのを覚えています。
To be continued.