家族ドラマ「ペアレントフッド」から学ぶ英会話シリーズの第5弾。
家事と子育ては夫ジョエルに任せて、バリバリ働く弁護士ジュリアの家族にフォーカス♪
(ドラマのセリフはSpringfield! Springfield!から。日本語は私の拙訳。)
目次
バリバリ働く弁護士ジュリアと主夫のジョエル

ジークとカミーユの末っ子ジュリアは、優等生で完璧主義。しかも勝負となると勝たないと気がすまないタイプ。高卒で定職につくのもままならない姉のサラ、自由でのんびり派のクロスビーとは対照的ですね。クロスビーは、ジュリアの完璧主義をよくからかいます。
一人娘のシドニーの世話と家事は主夫ジョエルが担当しています。元建築業者で手先がとても器用なジョエルは義姉サラのために机を作ってあげたりもします。学校のママたちからは「スーパーマン」と呼ばれている人気者。
学校の資金集めの定番はベイクセール
【シーズン1 第2話】
アメリカの公立校では、資金集めイベント(fundraising events)が盛んです。定番はベイクセール(Bake Sale)。保護者がクッキーやマフィンを焼いて販売します。
ジュリアの娘シドニーの小学校も例外ではありません。クッキーを焼くために仕事を早く切り上げたジュリア。帰宅途中に買ってきた、できあいのクッキー生地を手に持っています。

家のキッチンでは、セクシーな美女が夫のジョエルと一緒にクッキーを焼いています。


We’re wrapping and we’re baking. (クッキー焼いて、ラッピングして、大忙しだよ。)

I mean, you know that the fourth and fifth grade orchestra program is just the tip of the iceberg.(4年生と5年生のオーケストラ・プログラムもなくなったわ。これからどんどんアートプログラムが削られてしまうかも。)
ジュリアが手に持っている、焼くだけのクッキー生地を見てラクエルが言います。


そう言ってジュリアはクッキー生地をゴミ箱に捨てます。
ラクエルのようなセクシーママが夫と一緒にクッキーを焼いていたら、妻としては心穏やかではありません。しかも、できあいのクッキー生地で焼こうとしているのがバレて、バツが悪いったらありゃしない。
このラクエルはどう見てもジョエルが好きなんです。やたらとボティタッチが多く、なれなれしい。ジュリアがムッとするのも無理はありません。自分が仕事で家を空けている間にこんな状況になっているとは想像していなかったでしょう。
ジョエルのために言っておきますが、ラクエルとは浮気をしていません。ラクエルにキスされそうになったけど拒んだ、という話があとから出てきます。
この日の夜、ジョエルとラクエルが共同責任者を務めるファンドレイジングのオークションが開催されます。
もうこの時点で、予熱の温度まで上がっているジュリアとラクエルの対立。オークションで、さらにヒートアップした熱い女のバトルが展開されますよ〜。
- The preservatives in those things are terrible. (それに入ってる保存料は体によくないのよ。)
preservative :食品に入っている保存料のこと。知っておくと便利な単語です。
- Normally, I bake them from scratch. (いつもはイチから焼くわ。)
from scratch :イチから(この場合は小麦粉やバターを使って、という意味)。
- It is just the tip of the iceberg.(それは問題のほんの一部よ。)
日本語でも「氷山の一角」と言いますね。
クッキー生地を焼かずに食べる!?
クッキーをイチから手作りする手間ヒマをかけたくない(いや、かけられない)人に便利なのが、ジュリアが捨てたクッキー生地(cookie dough)。アメリカのスーパーでは必ず置いてある定番商品です。
【筒状になったものを切るタイプ】
【カップに入っているタイプ】
アイスクリームでも人気のフレイバー。どうもアメリカではクッキー生地を焼かずにナマで食べる人が多いようです。
アイスクリームに入っているのを食べたことはありますが、私はナマの生地だけを食べたことはありません。焼いたほうが断然おいしいと思うのですけどね。アメリカって不思議。
アメリカでは(というより「アメリカ人は」かも)ブロッコリやカリフラワーなどを茹でずにそのまま食べています。最初に知ったときは「えぇっ!」と驚きました。さっとでもいいから茹でるか火を通したほうが美味しいと私は思います。
逆に、日本では普通に食べる生卵が、アメリカでは「うげっ!」の対象になります。
食生活の違いもまた興味深いです。
学校のオークションでの「女の戦い」
ベイクセールとともによく行われる資金集めイベントが、オークション。学校の駐車スペース、発表会のときの特等席など、一番高い値をつけた人がそのアイテムを手に入れることができます。
【シーズン1 第2話】
娘シドニーの小学校でのオークションで、ジョエルが司会をしています。広い会場には保護者がテーブル席に座っています。ブレイバーマン家もみんな勢ぞろい。
オークションの目玉アイテム「一番いい駐車スペース」をめぐって、ラクエルとジュリアが競り合います。お互いライバル意識ムキ出しで、どんどん値をつり上げていきます。
ラクエルが「1500ドル!」と言ったとき、ジュリアの横に座っていた姉サラがあきれて言います。

それを受けて、ジュリアがサラに言います。

会場が、水を打ったようにシーンと静まり返ります。
マイクを手に持っていたため、ジュリアの言葉が会場全体に聞こえてしまったのです!あちゃー!
専業主婦ママたちの地雷をしっかりと踏みましたね。
あわてて取りつくろうジュリア。

You know, I did an extra month of maternity leave.(私も1ヶ月余分に産休をとったわ)
不用意なひと言(でも本音!)で、専業主婦ママたちを一気に敵にまわしてしまったジュリアでした。
- What’s wrong with you?(おかしいんじゃないの?/何考えてるの?)
「What’s wrong?」は相手を心配して「どうしたの?」とたずねるときに使います。しかし、そのあとに「with you」がついただけで「いったい何を考えてるの?」と強く非難する言葉になるのです。常識的に考えておかしい行動をとったときに頭の中を疑う意味をこめて使います。
What’s wrong with you?(あなた、アタマおかしいんじゃないの?/何考えてるの?)
What’s wrong? (どうしたの?/大丈夫?)
- It’s a valid choice.(それはまっとうな選択です。)
(例文)You’re making a valid point. :あなたの指摘はごもっともです。
「有効な」という意味でも使われます。
(例文)This coupon is not valid.:このクーポンは有効ではありません。
悪い言葉、ののしり言葉について
サラは「 What the hell wrong with her? 」と言っていますが、【使える英語フレーズ】では、あえて「 the hell 」という部分をぬかして説明しました。
アメリカの学校は、swear words(悪い言葉、ののしり言葉)にとても厳しいです。小学校の高学年にもなると、先生が見ていないところではガンガンに使っている子が多いようですが、先生の前で言ったらキツく叱られます。反省文を書かされたり、親が呼ばれたりすることも。
うちの娘たちは、サラが言った言葉をそのまま言わずに 「エイチ(h)・イー(e)・ダブルスティック(ll)」と言います。小文字のエル「 l 」をスティック(棒きれ)にみたてて表現するのが面白い!それ以外の悪い言葉たちは、S-word, B-word, A-word, F-wordのように頭文字だけで呼んでいます。
ドラマや映画で聞くこと、文字として読むことはあっても、二人は絶対に使いません(少なくとも私は聞いたことがない)。私がたまたま話の流れで悪い言葉を言おうものなら、二人して「ママ!ダメなんだよ、その言葉使ったら!」と怒ります。よっぽど学校で厳しく言われているのでしょうね。
家では基本的に日本語ですから、それが功を奏しているようです。やはり子どもは親の言葉をマネしますからね。
映画でもドラマでもしょっちゅう出てくる「ののしり言葉」ですが、アメリカの学校では厳しいルールがある、ということを覚えておいてくださいね。
まとめ
- The preservatives in those things are terrible. (それに入ってる保存料は体によくないのよ。)
- Normally, I bake them from scratch. (いつもはイチから焼くわ。)
- It is just the tip of the iceberg.(それは問題のほんの一部です。)
- What’s wrong? (どうしたの?)
- What’s wrong with you?(アタマおかしいんじゃないの?)
- It is a valid choice. (しごくまっとうな選択です。)
- 学校の資金集めでは、ベイクセールとオークションがよく行われます。
- アメリカでは、クッキー生地を焼かずにナマで食べる人が多いそうです。ブロッコリ、カリフラワーも茹でずにそのまま食べています。
- 学校では「悪い言葉(ののしり言葉)を使わない」という厳しいルールがあります。
Have a wonderful day!